安倍首相を支持します。 ポスト安倍は安倍晋三氏しかありません

今日の言葉

苦しみがあるところには、それを乗り越える力も与えられている  (鈴木秀子)

 

今日の産経抄

一説によると「人間は赤い頬をした動物」に分類されるらしい。「しばしば羞恥を感

なければならなかったから」が理由とか。歩みを止めて、省みては自分を恥じる。人が

人たるゆえんだと、二―チェは説いた さて、どうか。戦争や犯罪はもちろん、環境や

生態系の破壊という自然の仕打ちに、恥じらいのブレ―木は見えない。他の動植物に言

葉があれば、「面の皮が厚くできた動物」となじるかもしれない。種の絶滅など大事な

ものを失う段で青くなるのも特徴である だからだろう。 人類の罪滅ぼしを、この人

の半生記に重ねている。乱獲により一度は「絶滅」とされたアホウドリの繁殖を支え、

奇跡的な復活へ導いた。東邦大学名誉教授の長谷川博さんである。母体となる伊豆諸島

鳥島で、その数が5千羽を超えたという。昭和50年代から島を訪れ、営巣場所を雨

風や地滑りから守ってきた。巣作りの秋と若鳥の巣立つ春、年2度の単独調査は

計2000日を超える。いつ火を噴くとも知れぬ火山島で差し伸べた手は、累卵の危う

の心安らぐゆりかごであったろう

その昔は人をと遠ざけるどころか、船端で羽を休める無邪気な鳥だった。乱獲を経て

現代へと露命を繋いだのは、警戒心の強いものばかりだという。これを「淘汰」と呼ぶ

にはあまりに罪深い、人間が残した遺伝子への刻印である。過去の悲劇を二度と繰り返

すまい 鳥島では、唯一の連絡手段である衛星電話が壊れたこともあったと聞く。

文字どうり命がけのライフワ―クだった。長谷川さんは今秋の巣作りを現地で確かめ、

卒業する。個体の増加は軌道に乗り、9年後には1万羽を超えるとみられる。

朗報を自分の目で見届けるのが夢だという。

 

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